9/23~10/23に生まれた人の誕生星座、てんびん座。誕生星座ではありますが、明るい星もなくあまり目立たない星座です。
このページでは、そんないて座について詳しくご紹介します。
てんびん座の見つけ方
てんびん座には明るい星がないため、いきなりてんびん座を見つけるのは難しいです。
他の星座を目印に見つけていきましょう!
春だったら「おとめ座」を、夏だったら「さそり座」を目印にします。
(2つの星座の間にてんびん座があります)
おとめ座の東側あるいは、さそり座の西側を探しましょう!
3つの星を繋いでひらがなの「く」を裏返したような星並びを見つけることができたら、てんびん座の発見です。
「おとめ座(春)」や「さそり座(夏)」の探し方を知りたい場合は、以下のページをご覧ください。
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女神の持つ正義を司る天秤
てんびん座は、正義の女神”アストライアー”が善悪をはかるために使った天秤の姿とされています。
争っている人を見つけるとその2人を天秤に乗せます。
天秤は「善」の重さをはかるものですから、天秤が下がった方に乗っていた人が善人というわけです。
また、死者の魂の善悪もはかり、天国へ行くべき魂か地獄へ行くべき魂かということも決めていました。
そして、その正義の女神というのはおとめ座のこと。てんびん座とおとめ座には深い関係があるんです。
ここでは、てんびん座とおとめ座の神話をご紹介します!
その昔、ゼウスの父であるクロノスが世界を支配していた”黄金時代”。
地上は調和と平和に満ち溢れていました。常に穏やかな気候の中、大地は自然の恵みを絶やすことはありませんでした。この時代、人々は神々とともに住み、何不自由なく幸せに暮らしていました。
やがて時が過ぎゼウスが政権を握ると、”白銀時代”となり世界に四季がもたらされました。
これより人々は夏の暑さや冬の寒さに耐えなければならなくなりました。この時代から人々は住居を作るようになりました。また、農耕を始め、農作物を作る必要も生まれました。
やがて白銀の時代も終わりを迎え、”銅の時代”が訪れます。
人々の気性が荒くなり、ついには武器を手にするようになりました。
争う人々を見かねた神々は、一人また一人と人間を見捨て、地上を去りました。
そして最後に”鉄の時代”が訪れました。
人々は絶えず争い、自然は破壊され、多くの人の命が失われていきました。
その中アストライアーは地上に残り、人々に正義を訴え続けました。
しかし、人々の争いは留まることを知らず激化していきました。
最後まで人間を信じ、世界に平和を取り戻そうとしていたアストライアーでしたが、遂には人間を見限り地上を去ってしまいました。
その時、天に昇ったその姿がおとめ座になり、手に持っていた天秤はてんびん座になったとされています。
てんびん座にある宇宙
明るい星がなく「地味な星座」と紹介してきましたてんびん座ですが、そこにある宇宙にまで目を向けるととても魅力的な星が隠れています。
ここではてんびん座にある魅力的な星を2つ紹介します!
生命が存在する星発見?
「地球以外に生命が存在する星はあるのか?」
多くの人が気になっているであろうこの問いに答えを出すべく、古来から多くの研究者挑戦してきました。
そして、てんびん座には生命が存在する可能性が高い星が発見されました。
つまり、「ハビタブルゾーン内にある系外惑星」が発見されたのです!
と、急に聞きなじみのない言葉が二つ出てきましたので、一つずつ説明していきます。
生命が存在する条件 その1
研究者たちは生命が存在する星の条件として、
「太陽のような燃え盛る星(恒星)ではなく、地球のような恒星の周りをまわっている”惑星”である」
ということを考えています。
地球に住んでいるような生命が超高温で燃えている太陽に住んでいるというのはあんまり考えられませんからね。
というわけで、真っ先に地球から近い太陽系の惑星たちの調査が進められました。
が、残念ながら地球以外の太陽系の惑星たちの中に生命が存在する証拠は見つけられていません。
そこで、研究者たちは太陽系の外にある惑星たちに目を向けました。
それが「太陽系外惑星」略して、「系外惑星」です。
生命が存在する条件 その2
実は、系外惑星というのは現在までに数多く発見されています。
今「新しく系外惑星を発見しました」と言っても、世紀の大発見!というほどではないのです。
研究者たちは数ある系外惑星の中でも、生命が存在する可能性が特別に高い惑星はどれだろうか?と考えました。
そして、「液体の水が存在すること」というものを次の条件として決めたのです。
人間の体も半分以上は水でできていますから、宇宙にいる生命も水を必要とする可能性は高いですよね。
というわけで、発見した系外惑星に液体の水があるかどうかを調査しようと思ったのですが、系外惑星はとても遠くにあるので探査機を送り込んで調査することはできません。
そこで、その惑星の温度を考えることにしたのです。
温度が低すぎると水は凍ってしまいます。反対に温度が高すぎても蒸発してしまう。
ちょうど良い温度が大切なのです。
が、しかし、系外惑星はとても遠くにあるので、直接温度を測ることはできません。
じゃあどうするのかというと、その惑星が回っている恒星との距離を調べるんです。
惑星が温かいのは、恒星からの熱で温められているからです。
というわけで、系外惑星が恒星と”ちょうどよい距離”にあれば、液体の水が存在する可能性が高いというわけです。
このちょうどよい距離のことを”ハビタブルゾーン”と言います。
というわけで、「ハビタブルゾーン内にある系外惑星」というのは、言い換えると、
「恒星からちょうどよい距離にあって、液体の水が存在する可能性が高い、太陽系の外にある地球みたいな星」
ということになります。
まとめ
てんびん座にはグリーゼ581と呼ばれている恒星があり、その恒星の周りをいくつかの惑星が回っていることが知られています。
その惑星の中に、ハビタブルゾーン内のものが発見されているのです。
さらに、グリーゼ581は地球から比較的近いということでも知られています。
その距離約20光年!
遠いじゃないか!と思うかもしれませんが、宇宙に数ある星の中では近いほうなんです。
近ければ近いほど、研究はしやすいので、地球外生命体の最初の発見例は、てんびん座のグリーゼ581にある惑星になるかもしれませんね。
宇宙最古の星?
てんびん座には、もう一つ魅力的な星があります。
それは、この宇宙で最も高齢かもしれないと考えられている「HD 140283」という星です。
宇宙の年齢(138億歳)と同じくらいの年齢ではないかという説があるんです。
太陽が46億歳ですから、大先輩ですね。
では、なぜこの星が高齢だと考えられているかというと、「金属量がとても少ないから」なんです。
金属?鉄とかのこと?と思った方がいるかもしれません。
実は、天文学の世界では、水素とヘリウム以外の元素はすべて金属(重元素)と呼ぶのです。
続いて、金属量が少ないとなぜ高齢なのかについてです。
そもそも、宇宙にある主な元素は水素です。
その水素がさまざまな理由で、金属に変わっていくのです。
- 太陽みたいな星が燃えること(核融合反応)
- 星が寿命を迎え爆発すること(超新星爆発)
- 星と星が衝突すること 等々
どれも、そもそも星がないと始まりませんね。
ということは、「最近生まれた星ほど金属量が高くて、昔に生まれた星ほど金属量が低い」ことが考えられます。
このことから、てんびん座にある「HD 140283」は最古の星ではないかと言われています。
てんびん座の豆知識
もともとはさそり座の一部だった?
てんびん座にある星には、さそり座に関係する名前がついています。
α星:ズベン・エル・ゲヌビ・・・アラビア語で「南の爪」を意味する。
β星:ズベン・エス・カマリ・・・アラビア語で「北の爪」を意味する。
γ星:ズベン・エル・ハクラビ・・・「さそりの爪」を意味する。
これは、もともとてんびん座という星座はなく、大きなさそり座だった一部分が、後々分離しててんびん座になった名残だと言われています。
てんびん座はもともとさそり座のはさみの部分でした。
おわりに
てんびん座について、見つけ方・神話・そこにある宇宙についての3つの観点から紹介しました。
次にあなたが見上げるてんびん座が少しでも輝いて見えますように。
参考
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