8/23~9/22に生まれた人の誕生星座、おとめ座。すべての星座の中で2番目に大きい星座です。
春の代表的な星座の一つで、左手のところに輝く1等星”スピカ”の名前は聞いたことがある方も多いと思います。
このページでは、そんなおとめ座について詳しくご紹介します。
おとめ座の見つけ方
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そんなに気にならないという方は、さっそく探しましょう!
おとめ座は、春の星座の目印「北斗七星」を使って探します。
春は、北の空を探せば、ひっくり返ったひしゃくの形の星並びを見つけることができます。
北斗七星を見つけたら、柄の部分を伸ばしていくと、オレンジ色の明るい星を見つけることができます。
これはうしかい座のアークトゥルスです。
そのまま、さらに伸ばしていくと、今度は青白い明るい星を見つけることができます。
それが、おとめ座の目印「スピカ」です。
スピカは1等星のため、そのあたりにある明るくて青白い星はほぼ間違いなくスピカだと思ってもらって大丈夫です。
もし見つからなかったら、まだ「スピカ」が低すぎて、地平線の下に隠れてしまっているのかもしれません。
4月中旬くらいから南東の低いところに青白くひと際明るい星が見えてきます。
そこから、5月,6月と夏に近づくにつれ、南の高いところ(といってもおとめ座は比較的低めのところにいますが)へ動きます。
まれにそのあたりに惑星がある場合があります。その場合ちょっと紛らわしいですが、”青白い”星を探してもらえば見分けられると思います。
春の星座の探し方をもっと詳しく知りたい方は、以下のページをご覧ください。
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2つの顔を持つ女神【神話】
おとめ座には、草花の生育を司る豊穣の女神「デーメーテール」と、正義を司る女神「アストライア」という2つの女神の神話が伝わっています。
それぞれの女神の象徴として、左手には麦の穂を、右手には羽ペンを持つ姿が描かれています。
農業の女神 「デーメーテール」
左手に持つのは、麦の穂です。おとめ座は農業の女神「デーメーテール」の姿とされています。
デーメーテールは一人娘”ペルセポネ”と2人で幸せに暮らしていました。
そんなある日、ペルセポネは冥界の王”ハデス”に一目ぼれされてしまいます。ハデスはペルセポネを妻にしたいと言いますが、デーメーテールは娘を冥界になどやりたくありません。
断られたハデスは、妖精と野原で花を摘んでいたペルセポネを無理やり冥界へ連れ去ってしまいました。
そのことを知ったデーメーテールは大変怒り、自身の夫であり弟でもある主神”ゼウス”に詰め寄ります。
実はハデスとペルセポネの結婚を認めていたゼウスは、「ハデスは冥界のとは言え”王”なんだから悪くない話だろう」なんて言ってしまいます。
これにデーメーテールは大変怒ります。
「可愛い娘を薄暗い地下に嫁がせたいと思う親がいるはずがない!」
そう叫ぶと、洞窟にこもり一切の仕事を拒否してしまいました。
農業の神であるデーメーテールが仕事をしなくなると、地上の草花は芽吹くことをやめ、全て枯れ果ててしまいました。
困ったゼウスは、ハデスにペルセポネを地上に返すよう説得します。
しばらく考えたハデスは、ニヤッと笑ってから言いました。
「ならば仕方ない。ペルセポネは母の元に帰すことにしよう」
馬車を用意したハデスは、ペルセポネに話します。
「この馬車に乗れば母の元に帰れる。帰り道、喉が渇いたらこのザクロを食べると良い」
ハデスと暮らすうちに少し心を許していたペルセポネは、12粒のザクロの実を受け取り馬車に乗り込みました。
馬車に揺られ地上を目指すペルセポネは、何気なくザクロの実を4粒口にしてしまいました。
そして、遂に地上にたどり着いたペルセポネを母デーメーテールが抱きしめます。再会をひとしきり喜んだあと、デーメーテールはふと尋ねます。
「ところでペルセポネ、冥界のものをなにも食べていないでしょうね?」
ペルセポネは答えます。
「帰ってくる途中、ハデス様からいただいたザクロの実を少し食べたわ」
デーメーテールはみるみる青ざめてしまいました。
なぜなら冥界のものを口にした者は、冥界で暮らさなければならないというルールがあるからです。12粒中4粒食べてしまったペルセポネはそのルールに則り、1年の内4か月は冥界で暮らさなければならなくなってしまったのです。
こうして毎年、ペルセポネが冥界から帰ってくると再会を喜び、デーメーテールは地上に沢山の花を咲かせるようになりました。
しかし冥界に戻ってしまうと、デーメーテールは悲しみと怒りで洞窟に閉じこもり仕事をしなくなります。
この時から地上には、毎年4ヶ月草花が枯れ穀物が育たない”冬”が生まれたといいます。
正義の女神 ”アストライアー”
おとめ座のもう一つの顔は、正義の女神”アストライアー”です。右手にはその象徴として羽根ペンを持っています。
その昔、ゼウスの父であるクロノスが世界を支配していた”黄金時代”。
地上は調和と平和に満ち溢れ、常に穏やかな気候の中、大地は自然の恵みを絶やすことはありませんでした。
この時代、人々は神々とともに住み、何不自由なく幸せに暮らしていました。
やがて時が過ぎゼウスが政権を握ると、”白銀時代”となり世界に四季がもたらされました。
これより人々は夏の暑さや冬の寒さに耐えなければならなくなりました。
この時代から人々は住居を作るようになりました。また、農耕を始め、農作物を作る必要も生まれました。
やがて白銀の時代も終わりを迎え、”銅の時代”が訪れます。
人々の気性が荒くなり、ついには武器を手にするようになりました。
争う人々を見かねた神々は、一人また一人と人間を見捨て、地上を去りました。
そして最後に”鉄の時代”が訪れました。
人々は絶えず争い、自然は破壊され、多くの人の命が失われていきました。
その中アストライアーは地上に残り、人々に正義を訴え続けました。
しかし、人々の争いは留まることを知らず激化していきました。
最後まで人間を信じ、世界に平和を取り戻そうとしていたアストライアーでしたが、遂には人間を見限り地上を去ってしまいました。
その時、天に昇ったその姿がおとめ座になり、手に持っていた天秤はてんびん座になったとされています。
おとめ座のある宇宙
おとめ座は宇宙の窓?
おとめ座は”宇宙の窓”と言われます。それは、おとめ座のあたりは遠い宇宙を見通せる窓口だからです。
おとめ座(春の星座)のあたりは、ほかの季節の星座と比べ星が少なく地味に見えます。
これには理由があります。
星々は宇宙にバラバラにあるわけではありません。数千億個という星々が集団を作りその一つ一つを”銀河”と呼びます。
私たちの太陽は、”天の川銀河”と呼ばれる星集団の中にある1つの星なんです。
そして私たちが見上げる空に輝いている星のほとんどは、天の川銀河に含まれる星々です。
天の川銀河は薄い円盤型をしていて、円盤部分には星がたくさんあるのでその方向を見るとたくさんの星を見ることができます。一方で、円盤と垂直方向を見るとあまり星が見えません。
その代わり、天の川銀河を抜けてその先にある他の銀河を見ることができるんです。
おとめ座のあたりにはおとめ座銀河団と呼ばれる、2000を超える銀河が集まった場所があります。
そのことからおとめ座は遠い宇宙を見通せる”宇宙の窓”と言われています。
おとめ座の豆知識
スパイクの語源はスピカ?
スピカはおとめ座の左手に持つ麦の穂の先に輝く星です。
スピカには麦の穂の先のように “尖ったもの” という意味があります。
おわりに
おとめ座についての「見つけ方」「神話」「そこにある宇宙」「豆知識」を紹介しました。
次にあなたが見上げるおとめ座が少しでも輝いて見えますように。
参考
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