知って楽しいおうし座 – 探し方から神話・宇宙の話まで

おうし座

4/20~5/20に生まれた人の誕生星座、おうし座。

右目の位置に赤く輝く1等星“アルデバラン”と背中の部分に輝くプレアデス星団(別名:すばる)が有名です。

このページではそんなおうし座について詳しく紹介します!

目次

おうし座の見つけ方

おうし座の右目の位置に輝く1等星“アルデバラン”はとても明るいので簡単に見つけることができます。オリオン座の右隣を探してみてください。

アルデバランを見つけたら、そこからVの字の星並びを見つけてみましょう!それがおうしの顔の部分です。

おうし座の探し方
おうし座の簡単な探し方

 

もっと詳しく冬の星座の探し方を知りたい方は以下のページをご覧ください。

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美女を誘拐する純白の牡牛【神話】

おうし座の絵

星座カード集『ウラニアの鏡』に描かれたおうし座 – Sidney Hall (1788–1831)

すたっち
おうし座は数あるゼウスが変身した星座の一つです。
おうし座の神話の絵
絵画『エウローペの誘拐』 – Rembrandt van Rijn (1606–1669)

ある日、宮殿から海岸を眺めていた 主神“ ゼウス ” は、海辺で遊ぶ美女の姿を見つけた。
フェキニアの国王の一人娘“エウローペ”だ。

一目で恋に落ちたゼウスは、エウローペを誘惑しようと考えた。

「いきなり主神ゼウスの姿で会いに行ったら、恐れられてしまうに違いない」

そう考えたゼウスは、真っ白な牡牛の姿に変身し、エウローペに近づいた。
いきなり現れた牡牛に驚いたエウローペだったが、その気品あふれる姿と優しいまなざしに興味を惹かれ、自ら近づいていく。

牡牛の頭を撫でているうちにすっかり牡牛に心を許したエウローペ。
すると牡牛は、腰を落とし背中に乗るように促した。
エウローペがそっと牡牛にまたがったその瞬間、牡牛は突如走り出し、海を渡り始めてしまう。

驚いたエウローペは、悲鳴を上げながら牡牛にしがみつくことしかできなかった。
しばらくして、少し落ち着きを取り戻したエウローペだったが、海の上では降りることもできず、牡牛に問いかける。

「私をどこへ連れていくつもりなの?」

すると牡牛は、澄んだ声で答えた。

「怖がることはない。私は主神ゼウスだ。お前と結婚するために迎えに来たのだ」

海を渡ってクレタ島にたどり着いた牡牛は、エウローペを降ろすとゼウスの姿に戻り、2人の結婚式を挙げた。
その後、2人の間には3人の子どもが生まれる。

やがて、クレタ島を去ることになったゼウスは、変身した牡牛の姿を星座にし、エウローペを見守ったという。

おうし座にある宇宙

背中にある星の集団“すばる”

おうし座の背中の部分には、もやっとした星の集団があります。
オリオンの三ッ星からアルデバランを見つけたら、さらに同じくらいの距離進んだところにあります。

目がいい人だと6,7個の星がぎゅっと集まっている様子を見ることができるそうです。
(私は6個までしか見えたことがないです)

すばるの探し方
すばるの探し方の図

これは、“すばる ” あるいは“プレアデス星団 ” と呼ばれる星の集団です。
肉眼では、6,7個しか星を見ることができませんが、望遠鏡でのぞくともっとたくさんの星が集まっている様子を見ることができます。

清少納言の『枕草子』では、「星はすばる。ひこぼし。ゆふづつ。よばひ星、すこしをかし。; 星はすばる、彦星、宵の明星(金星)が良い。流れ星も趣がある。」という一節に登場します。

平安貴族にも気に入られているその星の正体は、約100個の星が集まった集団(星団; せいだん)です。
すばるは比較的若い星が集まっていることで知られています。
といっても、だいたい6,000万年前に生まれた星たちということで、あくまで星の世界では“若い”ということです。

また、すばるには青い星が多いのですが、星の色からはその星がどんな星かということがわかります。
青っぽい星は、重くて、高温で、“寿命が短い”星です。

すばるの寿命はあと1,000万年ほどと考えられています。
寿命を迎えた星は、激しい爆発を起こして消滅します。
すばるは、短い一生を華々しく終える星たちの集まりなんです。

「短い一生を激しく生きている星たち」と考えると、より一層すばるが輝いて見えるのではないでしょうか?

すばるの写真
まくわうり / photoAC

おうし座の豆知識

平安貴族の日記に書かれた天文現象

おうし座の角の先には、かに星雲と呼ばれる天体があります。これはかにの甲羅の形にみえるからそう呼ばれています。

その正体は、星が寿命を迎え爆発した後に残された残骸です。

実はこのかに星雲が寿命を迎えたのは、今から約1000年前、1054年のことです。
平安貴族である藤原定家が、日記『明月記』にその様子を記録していることで有名です。

ただ、藤原定家が生まれたのは、1162年と超新星爆発が起こった年よりも後なのです。

彼は1230年に突如現れた彗星を観測した際に、過去にも突如現れた星があったと、1054年のことも記録に残しました。
「おうし座のゼータ星の近くで、木星のようにあかるく輝いた」そうです。

他にも中国やアメリカインディアンの記録にも残されており、最も明るい時には、昼間も見えるほどだったと言われています。

おわりに

おうし座についての「見つけ方」「神話」「そこにある宇宙」「豆知識」を紹介しました。

次にあなたが見上げるおうし座が少しでも輝いて見えますように。

参考

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この記事を書いた人

大学2年で宇宙の写真を撮ったことがきっかけで宇宙にはまる。
大学院で宇宙の研究をし、そのまま宇宙に関わる仕事に就いたまあまあな星好き。一児の父。
いつか「オーロラ・ウユニ塩湖・南十字」を見に行きたいと思っていたら、新婚旅行でオーロラを達成。

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