10/24~11/22に生まれた方の誕生星座、さそり座。砂漠にいて猛毒を持っているというイメージがありますが、どんな星座なのでしょうか?
夏の代表的な星座の一つで、真っ赤に輝く1等星”アンタレス”が有名です。
このページではそんなさそり座について詳しくご紹介します。
さそり座の見つけ方
こちらもCHECK
そんなに気にならないという方は、さっそく探しましょう!
夏と言えば、7,8,9月でしょう!夜空を眺める時間は8時とします。あんまり早いと空がまだ明るいですからね。
さそり座は7月と8月に南の低い空に見えます。残念ながら9月にはもう低いところに沈んでしまって見ることは難しいです。
南の低い空に真っ赤に輝く明るい星を見つけたら、それがさそり座の心臓の部分に輝く星”アンタレス”です。
時期によっては、近くに火星があるのでとても紛らわしいです。アンタレスは”火星に匹敵するもの”という意味の言葉ですからその紛らわしさには定評があります。
アンタレスと火星を見分ける方法は、ずばり瞬いているかどうかです。星をじーっと見ているとキラキラと瞬いていることが分かるかと思います。地球の大気の影響で星は瞬くんです。
しかし、地球に近い火星はあまり瞬きません。紛らわしい星があったら、じーっと見つめてキラキラしている方を見つけてください。
もっと詳しく夏の星座の探し方を知りたい方は以下のページをご覧ください。
こちらもCHECK
オリオンも恐れる猛毒を持つさそり【神話】
毒を持つことで知られるさそりですが、さそり座も例にもれず猛毒を持っています。
その猛毒は、たくましい身体を持つ巨人として知られるオリオンも恐れるほど。そんなさそり座の活躍をご紹介します。
巨人”オリオン”は力が強くとても腕が良い狩人でした。
彼の腕にかかれば、逃げ足の速い鹿も獰猛なライオンも仕留められてしまいます。
「この世で俺に敵うものは居ない!」
調子に乗ったオリオンは、森の動物たちを片っ端から狩り始めてしまいました。
この傍若無人な振る舞いに大地の女神”ガイア”は怒り狂います。
「私が獲物を生み出してやっているのに、なんと思い上がった行動よ!」
怒りが収まらないガイアは、1匹のさそりを呼び「オリオンを刺し殺しなさい」と命じます。
さそりは巨人オリオンの足元にこっそり忍び寄ります。
足元にたどり着き今まさにオリオンの足を刺そうとしたその時、オリオンがさそりの存在に気づきます。
「なんとちっぽけな存在だ。踏みつぶしてくれる」
オリオンはさそりを踏みつぶそうと右足を踏み下ろします。
しかし、さそりはその足を避け、左足に向け尻尾の毒針を突き刺します。
「油断した!」と思った時には時すでに遅く、毒針は深々とオリオンに突き刺さります。
丈夫なことで知られるオリオンですが、さそりの猛毒には敵わずぱたりと倒れ死んでしまいました。
ガイアはこの功績を称え、さそりを空に上げ星座にしました。
また、オリオンに想いを寄せていた狩猟の女神アルテミスはその死を悲しみ、オリオンも星座にしてもらうと頼みました。傍若無人なオリオンですが、腕が良いことは確かなのでこのまま死なすのは惜しく「反省しているのであれば」とついでに星座にしました。
しかし、オリオンはさそりに刺されたことがいまだに忘れられず、さそり座が東の空から顔を出すころには、慌てて西の地平線へ沈んで隠れてしまうのだそうです。
さそり座にある宇宙
1等星”アンタレス”ってどんな星?
名前の意味
アンタレスの名前の意味には諸説あります。
「火星に対抗するもの」「火星に似たもの」「火星に匹敵するもの」
一番元の意味に近いのは、「火星に匹敵するもの」のようです。
火星と比べて負けず劣らず明るく赤く輝いていることから、この名前が付けられました。
誕生星座というのは、太陽の通り道(黄道)にある星座ですが、太陽の通り道ということは、そのまま惑星の通り道でもあります。
アンタレスは火星の通り道にあるので比べられてしまうのですね。
確かにアンタレスは火星と同じように真っ赤に輝いていますが、その赤く輝いている理由は全く違います。
赤く輝く理由
火星が赤く輝いているのは、火星表面が鉄の赤さびに覆われているからです。外に置きっぱなしの自転車なんか赤くなっているかと思いますが、あれが赤さびです。
火星は太陽の光を反射して光っているので、表面の色がそのまま目に見える色になります。
一方で、アンタレスは自ら光り輝く”恒星(こうせい)”です。恒星の色は、その表面温度によって決まります。温度が高い星は青っぽい色、温度が低い星は赤っぽい色になります。
アンタレスは温度が低い星なので、赤く輝いて見えるというわけです。
温度が低いと言っても3000度もありますが、これでも星の中では低温の方です。
さそり座の豆知識
ハワイの神話に出てくる巨大な釣り針
さそり座の星並びは、ハワイでは特別に「魔法の釣り針(マナイアカラニ)」と呼ばれています。
ハワイにはこんな神話が残されているんです。
ハワイには、風と海をつかさどる半神半人のマウイという英雄がいました。
彼は「魔法の釣り針 」と呼ばれる、神様から授かった特別な釣り針を持っていました。
いたずら好きな彼はある日、海底に沈む島を釣り上げてしまおうと考えました。
3人の兄を連れて漁に出ると、こっそり魔法の釣り針を島に引っ掛けます。
そして、兄たちに「力いっぱい引いて」「決して振り返ってはいけない!」と指示しました。
魔法の釣り針は島を引き上げそうになりますが、島の頂上が海の上に少し顔を出した瞬間、兄の1人が振り返ってしまいました。
すると釣り針の魔法はたちまち溶け、島は止まってしまいました。
この時に先端だけ顔を出した小さな島は、「モク・オラ(通称ココナッツ・アイランド)」と呼ばれ、ハワイの人々にとっての聖地になっています。
この神話が、ディズニー映画『モアナと伝説の海』のもとになっています。
また、ハワイの先住民たちはスターナビゲーションと言って、星を見て正確な方角を知り、コンパスやGPSのない時代に数千kmに及ぶ長い距離の船旅を成功させていました。
その時の目印にされていたのが、さそり座の釣り針の星並びでもあったのです。
おわりに
さそり座ついての「見つけ方」「神話」「そこにある宇宙」「豆知識」を紹介しました。
次にあなたが見上げるさそり座が少しでも輝いて見えますように。
参考
[st_af name=”book_shinwa01″]