【はじめに】壮大な宇宙の中のたった1つの地球

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学ぶことって楽しい?

「勉強して何の意味があるのか?」
「こんなこと覚えても将来役に立たない」

学校での勉強に疲れたこどもたちがよく言うセリフかと思います。

大人として回答を考えるとしたら、「将来の役に立つこともある」「受験に必要だから」「将来の選択肢を広げることになるから」なんてセリフが思いつきます。
学校の先生に聞いたら、それぞれの教科でそれぞれ学ぶ意味を教えてくれるのかもしれません。

しかし、このよくある質問に私は「何の意味もないけど、勉強って楽しいじゃん!」と言いたいです。
そもそも学ぶことって楽しいことだと私は思っています。

理科と地学

“理科”という科目は、高校生になると”物理・化学・生物・地学”という学問に分かれます。
これらの学問には共通して、「わからないことをわかるようになりたい」という先人たちの願いが込められていると思います。

物理(物理学; physics)は、この世界の現象について理解したい。
化学(chemistry)は、この世界の物質について理解したい。
生物(生物学; biology)は、この世界の生物について理解したい。
そんな願いが込められています。

では、地学の願いとは何でしょうか?
地学は球科(Earth Science)のこと。地球について理解したいという学問です。そして、地球というのは私たちが住んでいる世界です。
つまり、地学はこの世界そのものについて理解したいという学問だと言えます。

生活を便利にする科学

理科(科学)は、私たちの生活を便利にしてくれます。
車で遠くまで簡単に行けるのも、ペットボトルのジュースが飲めるのも、安くておいしい野菜が食べられるのも、すべて科学という学問の発展があったからと考えると、理科を学ぶということの大切さはわかりそうです。

しかし、すぐに生活を便利にするものだけが科学ではありません。
遥か遠くの宇宙について知ることが、明日の私たちの生活を便利にするとはとても思えません。

地学(特に天文分野)という学問は、ただ「まだわかっていないことを知りたいだけ」という原動力で発展してきたところが大きいのではないでしょうか。

地球科学とは

そもそもこの世界のことを理解したい学問がなぜ”地球科学”という名前なのか。
それは、地球というものをこの世界(宇宙)の中にある1つの星(惑星)という目線で考えているからです。

「我々が当たり前だと思っていることは、宇宙でも当たり前なのか?」「星はどのようにできているのか?」 「我々は特別な存在なのか」 「宇宙に我々の仲間はいるのか?」

それを地球という窓口を通して明らかにする学問が地球科学です。

空を見上げれば雲があり、地面を見ると土や石がある。太陽は1日に1度必ず登り、必ず沈む。晴れる日もあれば、雨の日もある。当たり前のことですが、宇宙では当たり前ではありません。

空気がなかったり、地面がなかったり、雨が降ることがなかったり。

我々の住む地球は特別な場所なんです。

では、特別な地球はどのくらい特別なんでしょうか?広い宇宙で地球のような星は1つしかないんでしょうか?我々のような存在はほかにいないのでしょうか?

ただ「知りたいから研究してきた」先人たちが明らかにしてきたこの世界。
一緒にその魅力を学んでみませんか?

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この記事を書いた人

大学2年で宇宙の写真を撮ったことがきっかけで宇宙にはまる。
大学院で宇宙の研究をし、そのまま宇宙に関わる仕事に就いたまあまあな星好き。一児の父。
いつか「オーロラ・ウユニ塩湖・南十字」を見に行きたいと思っていたら、新婚旅行でオーロラを達成。

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